[要約]BEING ON EARTH -2 Sense Perception as Individual Experience

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18世紀の哲学者バークリーは、私たちが二つの異なる世界に住んでいると主張しました。目を開いたときに現れる「視覚のもの」の世界と、身体で直接触れる「触覚のもの」の世界です。影と後光、立体視の実験を通して、視覚が単なる三次元世界の再現ではなく、独自の二次元的領域であることを探究します。能動的な知覚の重要性を気づかせてくれる、知的好奇心をくすぐる視覚論の入門です。

火の認識方法についての問い:行為と認識

ゲオルク・マイヤーの四元素論における「火の認識」について理解を深めます。なぜ「行為」が「認識」と呼ばれるのかという疑問に対し、エンペドクレスの「同類は同類によって知られる」という原理から解明しています。火の本質である変換の力を理解するには、自ら変換の力を体現する必要があり、これが「行為的認識」の核心です。熟練職人の手の知識、医師の直感的診断、教師の創造的判断など現代事例を通じて、外部観察では得られない深い理解が行為を通してのみ獲得されることを論証。近代的な二元論を超えた認識論として描かれています。

内容紹介『自然へのアプローチの異なる方法としての古典的四元素』(ゲオルク・マイヤー)

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元ゲーテアヌム自然科学部門のゲオルク・マイヤーによる古典的四元素論の内容紹介です。土・水・風・火を物質の構成要素ではなく、私たちが世界を認識する四つの異なる方法として捉え直しました。土は外部観察による詳細記述、水は関係性の理解、風は変化プロセスへの参加、火は責任ある行為を表します。燃えるろうそくの観察を通じて各段階を実践的に示し、現代科学の客観的観察を基盤としながら、より豊かで統合的な認識能力の発達を提案。完全な人間として世界と関わるための道筋を示した画期的論文です。

Georg Maier(ゲオルク・マイヤー)氏の研究リソース

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ゲーテアヌム研究所で29年間活動した現象学的物理学者ゲオルク・マイヤー氏についての研究リソースをまとめた記事です。中性子光学から出発し、1969年にゲーテアヌムで「見ること」の現象学的研究に転向しました。主著『視覚体験の光学』では従来の物理光学への根本的批判を展開し、「鏡像空間論」や「四元素による自然観察法」など独創的理論を提示しています。The Nature Instituteでは『Being on Earth』共著や論文が無料公開されており、感覚体験を重視した科学的アプローチが学習できます。現代科学の抽象化への対抗として、直接的視覚体験の復権を目指した活動をされていました。

ゲーテアヌムの自然科学部門について

ゲーテアヌム自然科学部門の100年にわたる歴史を追った研究です。1924年の設立以来、わずか6名の責任者が交代し、驚くべき制度的継続性を保持してきました。創設者ヴァハスムートの39年間から始まり、ボッケミュールの現象学的研究発展、キュールの国際的橋渡し期を経て、2020年に初の共同責任者制に移行しました。現在は物理学者ラングと薬剤師フォルシュトネリッチ・レシャクが指導し、量子力学から薬用植物研究まで幅広い分野を統合しています。各時代の長期在任により深い研究発展が可能となり、人智学的科学の一貫した発展を示しています。