[要約]BEING ON EARTH -2 Sense Perception as Individual Experience
18世紀の哲学者バークリーは、私たちが二つの異なる世界に住んでいると主張しました。目を開いたときに現れる「視覚のもの」の世界と、身体で直接触れる「触覚のもの」の世界です。影と後光、立体視の実験を通して、視覚が単なる三次元世界の再現ではなく、独自の二次元的領域であることを探究します。能動的な知覚の重要性を気づかせてくれる、知的好奇心をくすぐる視覚論の入門です。
大人のためのゲーテ的自然学
18世紀の哲学者バークリーは、私たちが二つの異なる世界に住んでいると主張しました。目を開いたときに現れる「視覚のもの」の世界と、身体で直接触れる「触覚のもの」の世界です。影と後光、立体視の実験を通して、視覚が単なる三次元世界の再現ではなく、独自の二次元的領域であることを探究します。能動的な知覚の重要性を気づかせてくれる、知的好奇心をくすぐる視覚論の入門です。
「君の情熱は化学ではない。それは中世の錬金術に近い」と教授に告げられた学生が、感覚的体験を軽視する科学への疑問を抱き始めます。ユーカリの森での気づきから池のほとりでの実験まで、ロナルド・ブレイディの知的冒険を追いながら、私たちがどのように世界を「見る」のかという根本的な問いに迫ります。現代のAI時代にこそ問い直したい、経験と認識の物語です。
現代科学は「経験」を主観的なものとして軽視していますが、本当にそれで良いのでしょうか。ロナルド・ブレイディは、ガリレオ以降の科学的世界観を根本から問い直し、私たちの知覚体験を詳細に分析することで、新しい現実理解を提示します。池の反射や波の観察といった具体的な体験を通じて、知覚における私たちの能動的役割を明らかにし、従来の主体-客体分離モデルに代わる統合的アプローチを展開します。
Stephen Edelglass(1935-2000年)は、MIT出身の機械工学者から人智学系現象学的科学教育の先駆者へと転身したアメリカの研究者です。『The Marriage of Sense and Thought』などの代表作を通じて、体験的な科学教育アプローチを確立し、ヴァルドルフ教育における物理教育の「北極星」的存在となりました。本記事では、彼の主要著作、無料アクセス可能な資料などをまとめました。
人智学者として知られるRonald H. Brady(1937-2003)ですが、調べてみると人智学を超えた学術界での評価が興味深く浮かび上がってきます。パターン分岐学への哲学的貢献、進化論の検証可能性問題、さらには論文が物理的に破り捨てられた「検閲事件」まで。Popper→Macbeth→Bradyという知的系譜や、日本での限定的な受容状況を通じて、一人の研究者の真の学術的影響を探ります。
Ronald H. Brady(1937-2003)の研究を包括的にガイドする資料リストです。ゲーテ科学と人智学的認識論の大家による主要論文28本を、入門から専門まで段階別に整理しました。The Nature Instituteの無料アーカイブにより、重要論文のほぼ全てにアクセス可能なようです。現象学的形態学、時間形態概念、パターン分岐学など、現代科学にも影響を与える学説の理解に。
散歩中に出会った小さな池を例に、参与的認識のプロセスを具体的に解説します。普通の見方を手放すことから始まり、印象の深化、感覚知覚のイメージ化、変容の認識、全体の統合まで、段階を追って体験できるガイドです。一つの池という身近な対象を通じて、その場所の「内的な本質」や「魂的な質」に迫る意識的な観察方法を、実践的なポイントとともに紹介します。
近代的な世界観を乗り越え、世界との生き生きとした関係を再構築する認識方法について解説します。「変容」という核心概念を通じて、観察者自身の意識的な内的活動により、世界の隠れた本質や法則性への洞察を深めるプロセスを、具体的なステップとともに紹介。地・水・風・火の四つのエレメントを媒体とした「参与的認識」により、単なる知識を超えた理解と、自然との創造的な関係構築を目指します。
20世紀初頭の英国人女性彫刻家エディス・マリオン(1872-1924)について調べました。男性支配的な彫刻界で道を切り開き、1913年にルドルフ・シュタイナーと出会って人生が転換。1915年から大型木彫「人間の代表者」を共創し、作業の90%を担当しながらシュタイナーと真の芸術的協働を実現しました。1923年に彫刻芸術部門責任者に任命されるも、翌年52歳で結核により早逝。長く忘れられていた功績が1990年代以降再評価され、住宅建設や社会貢献活動も含む多面的な遺産が明らかになっています。現代においても彼女の精神的探求と芸術の融合は多くの人にインスピレーションを与え続けています。
ゲオルク・マイヤーの四元素論における「火の認識」について理解を深めます。なぜ「行為」が「認識」と呼ばれるのかという疑問に対し、エンペドクレスの「同類は同類によって知られる」という原理から解明しています。火の本質である変換の力を理解するには、自ら変換の力を体現する必要があり、これが「行為的認識」の核心です。熟練職人の手の知識、医師の直感的診断、教師の創造的判断など現代事例を通じて、外部観察では得られない深い理解が行為を通してのみ獲得されることを論証。近代的な二元論を超えた認識論として描かれています。