[内容紹介]BEING ON EARTH -8 Manifestation from Inside Out
美しいものほど理解しやすい——この一見逆説的な洞察から始まる、知覚と認識の根本を問う論考。ブランクーシの彫刻分析や建築体験を通して「内側からの知覚」を探求し、芸術が如何に身振りを通して本質を伝えるかを明らかにする。個人的な美的体験から社会的な認識論の課題へと発展する、現象学的アプローチによる深遠な美学論。
大人のためのゲーテ的自然学
美しいものほど理解しやすい——この一見逆説的な洞察から始まる、知覚と認識の根本を問う論考。ブランクーシの彫刻分析や建築体験を通して「内側からの知覚」を探求し、芸術が如何に身振りを通して本質を伝えるかを明らかにする。個人的な美的体験から社会的な認識論の課題へと発展する、現象学的アプローチによる深遠な美学論。
私たちは普通、世界は客観的に「そこに」存在し、私たちはそれを受動的に見ているだけだと考えています。しかしブレイディは、花崗岩の柱への転倒という劇的な体験を通じて、知覚が実は私たちの能動的な理解活動であることを発見します。カニッツァの錯視実験や隠れた画像の認識といった科学的証拠により、私たちの「志向的活動」なしには知覚そのものが成り立たないことが明らかになります。これは従来の客観性概念を根本から問い直す革命的な洞察です。
「君の情熱は化学ではない。それは中世の錬金術に近い」と教授に告げられた学生が、感覚的体験を軽視する科学への疑問を抱き始めます。ユーカリの森での気づきから池のほとりでの実験まで、ロナルド・ブレイディの知的冒険を追いながら、私たちがどのように世界を「見る」のかという根本的な問いに迫ります。現代のAI時代にこそ問い直したい、経験と認識の物語です。
現代科学は「経験」を主観的なものとして軽視していますが、本当にそれで良いのでしょうか。ロナルド・ブレイディは、ガリレオ以降の科学的世界観を根本から問い直し、私たちの知覚体験を詳細に分析することで、新しい現実理解を提示します。池の反射や波の観察といった具体的な体験を通じて、知覚における私たちの能動的役割を明らかにし、従来の主体-客体分離モデルに代わる統合的アプローチを展開します。
人智学者として知られるRonald H. Brady(1937-2003)ですが、調べてみると人智学を超えた学術界での評価が興味深く浮かび上がってきます。パターン分岐学への哲学的貢献、進化論の検証可能性問題、さらには論文が物理的に破り捨てられた「検閲事件」まで。Popper→Macbeth→Bradyという知的系譜や、日本での限定的な受容状況を通じて、一人の研究者の真の学術的影響を探ります。
Ronald H. Brady(1937-2003)の研究を包括的にガイドする資料リストです。ゲーテ科学と人智学的認識論の大家による主要論文28本を、入門から専門まで段階別に整理しました。The Nature Instituteの無料アーカイブにより、重要論文のほぼ全てにアクセス可能なようです。現象学的形態学、時間形態概念、パターン分岐学など、現代科学にも影響を与える学説の理解に。