『風景への目覚め』XII章 自然と景観における価値の発展(内容紹介)

ヨーロッパにおける人間と自然の関係史を通じて現代環境問題の根源を探る研究です。中世の調和的関係から産業化による断絶まで、7段階の歴史的変遷を分析しています。美しいヨーロッパの文化的景観は人間と自然の協働で生まれましたが、産業化により自然保護区という「孤島」での保護が必要になりました。しかし静的な保存では限界があり、「生きた理念への忠実さ」に基づく創造的発展が必要です。都市生態学の成功事例も示しながら、個人の日常実践から始まる生物圏の進化への参与という新しいビジョンを提示しています。